2017年7月3日

 

 

 

 

 

 

 

完全自動運転車企業ウェイモ PartⅠ

 

 

 

 

 

 

 おはようございます。

 

 

 本日はグーグルの自動運転車企業「ウエイモ」です。ウェイモは以前からこのホームページでお伝えしてきましたが、今回はウェイモ自体のこれまでの経緯の詳細です。

 

 

 去年末からことに前半にかけて、トヨタをはじめとする大手自動車メーカーが次々と自動運転車開発に本格的に名乗りを上げています。しかし、ウェイモはまだグーグルの開発部門であった時代から、公道での実証実験を繰り返し、2015年から16年にかけて、すでに米国内で100万キロの実験を済ませており、レベル4(完全自動運転車)に最も近い企業であると目されています。

 

 

 今年になって、グーグルの一部門から独立し、グーグルが自社を傘下に収めたアルファベットというグーグル系列企業の傘下に入りました。そして、すぐに実際の自動車会社大手であるフィアット・クライスラー、そしてホンダと提携し、それまでの自社で開発した自動車ではなく、本当の自動車メーカー製の車で実証実験を始めています。

 

 

 さらに面白いのは、4月からは「Early Rider Program」をフェニックスで実施し、一般住民の参加を促しているところです。参加者は、ウェイモの自動運転車をいつでもどこでも利用できます。こうして、実際の一般の人々の利用者の嗜好やくせなどを含めたライフログを収集して、クルマの乗り心地など安全性以外の要素を取り込み、実際的な売り出せる製品を作り出そうとしています。

 

 

 さらにリフトというアメリカ第2のライドヘイリング企業と協働して新しいサービスを開始します。ウーバーだ始まったライドシェアリングは、運転者のコストが最も高いので、完全自動運転車と一緒になって初めて意味があります。このことは弊社ホームページの「ウーバーの世界」に詳しく説明しています。

 

 

「ウーバーの世界」

http://noteware.com/uber.html

 

 

 トヨタが「謎の半導体企業」NVIDIAと協働するなど、自動運転車開発はいっそう本格的になってきました。AIやブロックチェーンといった最新技術が高度な実用的集積を見せる自動運転車は、どの企業も中止をしておいて損はありません。というより、自動運転車の動向を見ていれば、今後の世界の技術動向、産業、経済のすべてが見通せると思って過言ではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

住民巻き込み自動運転車を開発、公道テストで首位走るグーグル系企業

 

 

 

 

 

 

 

 

日経テクノロジーオンライン

2017/05/29

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/041100089/052500020/?n_cid=nbptec_tecml

 

 

 

 

 

 

 

 

 自動運転の公道テスト。利用者を巻き込んだ調査。サービスの実証実験――。自動運転の実現に向けて、着実に歩を進める注目すべき会社がある。自動運転車の開発を手掛ける米グーグル系のウェイモだ。

 

 

 自動運転車の公道テストで実績を積んでいるウェイモは、米グーグルの自動運転研究部門から派生し、現在はグーグルの親会社である米アルファベット傘下の会社だ。自動運転に関する技術開発のレベルを段階的に引き上げていることから、ウェイモの動向に対する関心度は高まる一方である。

 

 

 ウェイモの最近の動きとして注目すべきは、201724日に発表した「Early Rider Program」だ。Early Rider Programは、一般住民を自動運転車に乗せる公開テストプログラムである。米アリゾナ州フェニックスの住民から参加者を募集している。

 

 

 今後は、自動運転車を活用した無人タクシーなどの実証実験にも乗り出す可能性がある。ウェイモは201716日、ライドシェア(相乗り)大手の米リフトと自動運転技術開発の分野で提携することを明らかにした。

 

 

 

 

ウェイモが実施する自動運転車の公開テストプログラム「Early Rider Program」の様子

 

 

 

 ウェイモは、Early Rider Programを通じて、生活スタイルや交通ニーズの異なる一般住民から、様々な意見を集約。自動運転車の開発に役立てる。同プログラムの参加者は、毎日いつでも、どこに行く時でも無料で自動運転車を利用できる。ウェイモがリフトとの提携で無人タクシーサービスの実証実験を始めることになれば、ここでも自動運転車に関する利用者への調査を手掛けることになるだろう。

 

 

 同プログラムでは、欧州フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のミニバンと、トヨタ自動車のSUV「Lexus RX450h」を改造した自動運転車を使用。テストドライバー1人が乗車し、走行状況を監視する。

 

 

 「どのような場面で自動運転車を使いたいか」「運転手はどのように自動運転車と意思疎通を図るか」「乗員は自動運転車を乗車中、どのような情報を求めるか」「自動運転車の操作方法として何が適切か」――。こうした様々な項目に関する調査を、ウェイモはEarly Rider Programやリフトとの提携を通じて進める。

 

 

 

公道テストで実績を積む

 

 

 ウェイモを語るうえで外せないのが、公道を使った自動運転車の走行テストの実績だ。現段階では、他の自動車メーカーを圧倒している。

 

 

 米カリフォルニア州陸運局(DMV)が公開した各社の年次報告書によれば、ウェイモは201512月から201611月までの約年間で、合計635868マイル(約102万km)のテスト走行を実施した。テストドライバーによる操作が必要となる自動運転機能解除状態(Disengagement)が発生した頻度は、5127マイル(約8200km)にだったという。前年(1244マイル)と比べ、自動運転機能が解除状態となる頻度は分のに改善した計算になる。

 

 

 これに対して他社は、数マイル~数十マイルに1回の割合でDisengagementが発生している。この点で、ウェイモの成績はライバルを圧倒している。

 

 

 それでも自動運転車の実用化に向けて手を緩めない。ウェイモは現在、米国都市(カリフォルニア州マウンテンビュー、テキサス州オースティン、ワシントン州カークランド、アリゾナ州フェニックス)で公道テストを実施している。

 

 

 リアルな公道テストに加えて、コンピュータを使った仮想的な運転シミュレーションにも力を注ぐ。同社は日当たり300万マイル(約480万キロ)に相当する運転シミュレーションを実行し、シミュレーションでの走行距離数は2016年の年間で10億マイル(約16億キロ)に達したとしている。

 

 

 ウェイモは、グーグル時代の2009年から自動運転車の公道テストを進めてきた。公道テストの実績でみれば、同社はドライバーが運転に関与しないレベル以上の「完全自動運転」に現時点で最も近いポジションにいる、といっていいだろう。

 

 

 

初めから完全自動運転を目指す

 

 

 自動運転技術の商用化。この使命をできるだけ早く実現するため、グーグルの親会社である米アルファベットは201612月にウェイモを立ち上げた

 

 

 グーグルは2009年から、研究開発部門「X(旧称はGoogle X)」で自動運転技術の研究に着手。その後、ウェイモとして独立させ、売り上げを追求する事業体として、自動運転技術を使った製品・サービスの実現を目指している。

 

 

 ウェイモのCEO(最高経営責任者)を務めるのは、ジョン・クラフチック氏。同氏は、米フォードや韓国ヒュンダイでキャリアを積み、2015年からグーグルのプロジェクトに参加している。

 

 

 「我々の自動運転技術は個人の移動やライドシェアリング、物流、公共交通などに有用だ。97歳になる実母や目の不自由な人が、より容易に、そして安全に移動できる日が必ずくる」。クラフチックCEOはこう公言している。ウェイモは「完全自動運転車の実用化」という一つの目標に向けて“疾走”している。

 

 

 

 

 

 

 

 編集部後記です。

 

 ウェイモとリフトの協業は、そこに至る経緯が有名な話で、その経緯の中でグーグルとウーバーは仲たがいをしています。また別の面で自動運転車に近いと目されているイーロン・マスクのテスラもまた、半導体企業と仲たがいし、NVIDIAを採用するに至った経緯があり、自動運転車の舞台は、現在の最先端を行く主だったスタートアップから有力企業、最大手の動向がすべて絡んでいます。

 

 

 ウーバーは世界各国で訴訟に会い、トランプの当選前後でも大きな非難に見舞われています。しかし、ウーバーの株は非常に高騰を続けており、それはあくまで自動運転車完成を見越した株高です。ウーバーのノウハウやデータ、ビジネスモデルと自動運転車の協働(ウーバーも自動運転車開発に名乗りをあげましたが)が今後のカギです。

 

 

 そうした動向を含め、次回ウェイモの後半を掲載いたします。

 

 

 

 

ちょっと前の記事ですが、シンガポールが空飛ぶタクシープロジェクトを始動しています。

 

 

シンガポールが「空飛ぶタクシー」プロジェクトを本格的に開始へ!

https://www.borg.media/singapore-taxy-airbus-2017-04-19/