2017年3月6日

 

 

 

 

ベルギーの行政サービスに「フィンテック」技術を採用実施

 

 

 

 

 

 おはようございます。

 

 本日は短い記事です。ですが、非常に画期的な出来事です。「フィンテック」サービスのかなめである「ブロックチェーン」の仕組みを、世界で初めて行政機関が各種市民サービスに取り入れ始めたというニュースです。

 

 「フィンテック」はそれぞれの業界に「インステック」(保険業界)「エドテック」(教育)「ヘルステック」(医療)という風に適応されていく近未来が予測されていますが、行政機関では最も遅いのではないかという観測がありました。行政機関は何をやるにも認可や法制度、規制といった様々な障壁を自ら設定するところですし、一般的に新たな試みには腰が最も重い世界という認識です。

 

 お役所は基本的に紙文化ですから、そのデジタル化は最も遅く、最も人力と人間のやり取りで物事を進めるところです。ですから、ここに「テック」の最も基本であり、暗号通過の仕組みとして一般的には認識されている「ブロックチェーン」(今の日本では、一般的にはゲームの仮想通貨のような遊び的感覚でとらえられています)が、行政サービスの仕組みの改革として取り入れられ、実際の運用を目指して具体亭な取り組みが開始されたというのは、ある意味Amazon Goやハイパーループよりも衝撃的な事実です。

 

 こうした試みを、日本でも早く取り入れてもらいたいものですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルギー、行政サービスにブロックチェーンを検討

POCにテックビューロを採用

 

 

 

 

 

 

ZDNet Japan

2017年03月01日 08時00分

 

https://japan.zdnet.com/article/35097321/

 

 

 

 

 ベルギーのアントワープ市では、行政サービスを実装する基盤として、ブロックチェーンを検討、実証実験に取り組んでいる。この基盤のPOC(概念実証)に技術を提供する予定のテックビューロ日に発表した。

 

 アントワープ市では「デジタル・アントワープ」とスローガンを掲げ、先進的でオープンなICTプラットフォーム「ACPaaS:Antwerp City Platform as a Service」の実装と、効率的な行政サービスの提供のために、新たなテクノロジ活用への挑戦を継続的に取り組んでいる

 

 今回、ブロックチェーンの「非改ざん性、高可用性、分散型公開台帳、なりすましを排除しデータの真正性を担保する」といった特徴を生かし、「出生・生存証明」「住民票」「生涯学習」「公共意思決定」といった分野の行政サービスを実装する基盤として、ブロックチェーンを検討、実証実験に取り組む。

 

 具体的に取り組むのは

 

(1) すべての市民の出生、婚姻、死亡まで、ライフイベントをブロックチェーン上に記録し、消えたり改ざんされることがないことを検証する「出生・生存証明」

 

(2) 転居に伴う手続きを簡素化し、効率的に住民票を移動するため、住所などの情報の開示先をブロックチェーン上で管理することを検証する「住民票 」

 

(3) (1)の出生・生存証明に、履修履歴や卒業証明書を追記する「生涯学習 」

 

(4) 市長と市議会など公共サービスの意思決定や変更のプロセスを透明化し、これらのプロセスの記録と、公開された情報の真正性の担保に、ブロックチェーンをどう適用するかを検証する「公共意思決定 」のつ。

 

 実証実験は、地方自治体のためにICT技術を評価しているベルギーの独立行政法人のDigipolisが、アントワープ市から委託され、政府から提供されるサーバを用いてブロックチェーン検証ラボ「The Blockchain Lab」で実施する。

 

 The Blockchain Labでは、20161219日にキックオフを迎えたが、この際実施したハッカソンに参加した107人の投票により行政サービスを実装する基盤としてテックビューロが提供している、プライベートブロックチェーン「mijin」を採用した。

 

  テックビューロが選出された理由は、価格と開発スピードだ。ハッカソンでは同社が提供している、土所有権が移転可能な証明書をブロックチェーン上で発行できるオープンソースアプリケーション 「Apostille」が利用され、アントワープの土地の登記システムを週間で開発したという。今後はワンステップで複数者の署名による証明書を発行し、オンラインでの契約締結や自動履行が行える機能を追加していくとした。

 

  テックビューロの朝山貴生氏は「mijinは既存のシステム開発に必要な『DB設計』や『勘定開発』『デバッグ』といった工程を経る必要があった部分をプロトコル部分でまかなえるため、開発工期が5分の1以下にできる。現在は、ベルギーの他米国や、タイ、ラオス、韓国、シンガポール、インドネシア、フィリピンなどから引き合いが来ている。勘定適用やサービス利用に向け、数々の実証実験で実用レベルの結果を出している。あとは(ブロックチェーンを利用する)ユーザーの心理的障壁の打開が課題」とアピールした。

 

 

 

 

テックビューロが考えるブロックチェーンの5要素。mijinはこれらを備えるため、『DB設計』や『勘定開発』『デバッグ』といった工程を飛ばして 開発にはいれるという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 編集部からのコメントです。

 

 ブロックチェーンとはビットコインなどで使われた技術なので、いまだに日本ではゲームの仮想通貨のような、うさん臭さが付きまといますが、まったくそうしたサギ的な要素とは無縁の、セキュリティに徹底的に重点を置いた革新的な技術です。

 

 一言でいうと、銀行口座の取引のすべて、つまり預金通帳がオープンになっていて、それが本人にしか見る音のできない厳重なセキュリティと暗号化がなされているということです。個人自体が銀行であり銀行口座自体であるという考え方です。ですから、銀行自体、金融取引事業者自体がいらなくなるわけです。だからP2P(peer to peer ピア・トゥ・ピア、人と人)取引といいます。介在するものが何もないのです。

 

 つまりこれはすべての手続きや取引を完全なセキュリティの中に置くものといえるので、金融以外のあらゆる取引に適用が可能なのです。だから医療業界という非常にデリケートな分野にはうってつけの物です。とうぜん、国民や市民の個人情報を一手に引き受けている公共機関、お役所にもまた当然最も効果的なものといえるでしょう。

 

 もう一つ記事中にあった「ハッカソン」という聞きなれないものに関する記事をご紹介しておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハック」+「マラソン」=?

IT業界で流行「ハッカソン」とは

 

 

 

 

R25:30オトコの本音に向き合う

2013.02.06 WED

 

https://r25.jp/off/00028216/

 

 

 

 

 

 


 1月21日・22日に開催された「goo presents Challengers 2013 WINTER」内のハッカソンでは、大学生と学生ベンチャーの連合チームによる“横スクロールアクション英語学習ゲーム”が最優秀賞を受賞した最近、IT業界でハッカソン(Hackathon)が流行中だという。なんだか耳慣れない言葉だけど、実はこれ、「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語で、プログラマーたちが技術とアイデアを競い合う開発イベントの一種なのだ。例えば、フェイスブックを一躍有名にした「いいね!」ボタンも、もともとは同社のハッカソンを通じて誕生した機能だとか。今では大手IT企業がこぞって開催に乗り出しており、ヤフージャパンやグーグルが定期的に社内ハッカソンを行っているほか、オープンに参加者を募るハッカソンイベントが国内でも多数催されている。

 ハッカソンは単なる開発コンテストとは異なり、「24時間でひとつのサービスを作り上げ、壇上で聴衆にプレゼンする」という超短時間勝負のルールが特徴だ。ひとつの空間に集められた参加者たちは、思い思いにチームを組んでアイデアを出し合い、意見を交換しながら徹夜でプログラミングを行う。そして翌日のプレゼンでもっとも支持を集めたサービスが優勝!なるほど「マラソン」というだけあって、肉体も精神もキツそうだ。

 「時間的、環境的な制約の多いハッカソンでは、ただプログラミングがうまいだけでは勝てません。新しい発想による企画力、それを形にする技術力、仲間同士のコミュニケーションから進行管理まで、サービス開発に必要なあらゆる能力が求められるんです。また、120秒程度の短いプレゼンを通じていかに聴衆を引き込むかが勝負の決め手なので、パフォーマンス力は特に重要ですね」

 と語るのは、今年1月に行われた開発イベント「goo presents Challengers2013 WINTER」のプロデューサーであるNTTレゾナントの河村智司氏だ。学生から本職のエンジニアまで全61人が参加した同イベント内のハッカソンでは、わずか一晩で23ものサービスが生み出された。プレゼンはどれも個性的で、素人の筆者も見ているだけでワクワクしたほどだ。

 「IT企業がハッカソンを主催する目的は多々ありますが、新しいサービスや機能に関するアイデアやヒントを発掘できることは大きいですね。内容によっては、製品化を目指して本格的なプロジェクトになることもありえます。一方の参加者にとっては、出会った仲間同士で知識や技術を交換し合ったり、自分の腕を披露したりして人脈を広げられることが醍醐味。とはいえ、それほどストイックなものでもなく、目新しい開発ツールに触りたいという好奇心で参加するプログラマーも多いんですよ」

 一種の“お祭り”的な側面もあるが、Webサービスの開発競争がますます激化する現在において、ハッカソンは主催者と参加者の双方にとって“次の一手”を見つけ出すための貴重な実験の場なのかもしれない。